レスポンシブデザインとは?メリットやデメリット、作り方、コツを解説【2024年版】
企業のランディングページでは、いかに自社の魅力をアピールして売上に繋げられるかがポイントとなります。消費者側としては、どのようなデバイスでも違和感なく閲覧できるページが理想であり、表示が崩れて見づらいと離脱を招く可能性があるのです。
よって、どのようなデバイスにも見やすいデザインを取り入れたいものですが、それぞれのデザインを構築するのは大変です。そこで誕生したのが、レスポンシブデザインとなります。
では、レスポンシブデザインとは一体どのようなものなのでしょうか。この記事では、レスポンシブデザインの概要や、具体的な導入方法について解説します。
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CONTENTS
レスポンシブデザインとは?
始めに、レスポンシブデザインの概要について解説します。レスポンシブデザインとは、どのようなデバイスで閲覧しても見やすく、使いやすいページレイアウトとするためのテクノロジーです。
ホームページと言えば、インターネット黎明期ではパソコンからアクセスするのが一般的でした。ただし、モバイルデバイスの技術が確立している昨今、パソコンだけでなく以下のようなデバイスからもアクセスする機会が増えています。
- スマートフォン
- タブレット端末
- スマートテレビ
- ゲーム機
各デバイスでホームページを閲覧した場合、パソコンとスマートフォンでは画面サイズが大きく異なります。また、パソコンはマウスでクリックして操作するのに対し、スマートフォンやタブレット端末の場合はタッチ操作が中心です。
よって、ボタンを配置する場合もボタンサイズを閲覧しているデバイスに最適化する必要があります。他にも、パソコンの場合は横長画面が主流ですが、スマートフォンやタブレット端末は基本縦長画面が主流となります。
パソコンに合わせてホームページを構築した場合、スマートフォンで閲覧するとどうしても表示が崩れがちです。そこで、各デバイスに最適な表示を実現する技術として誕生したのが、レスポンシブデザインです。
レスポンシブデザインの定義
レスポンシブデザインの定義は、異なる画面サイズの幅であっても柔軟に調整して、見やすくする技術を指します。Webサイトでは、HTMLとCSSという2つのファイルを使って配信するのが一般的です。
それぞれのファイルには役割があり、以下を分担しています。
- HTML:Webサイトのコンテンツの内容を登録
- CSS:ページレイアウトに関する内容を登録
ブラウザでホームページにアクセスすると、以上のファイルをブラウザで構築して画面に表示する仕組みとなっています。従来型のホームページでは、HTMLとCSSが単一のデバイス向けにしか提供されていないのが一般的でした。
例えば、パソコン用のHTMLとCSSしか用意されていないホームページにスマートフォンでアクセスしても、表示が崩れてしまう現象が発生します。そこで、レスポンシブデザインでは、同一のHTMLとCSSであらゆるデバイスに対応した表示が可能となります。
レスポンシブデザインが求められる背景
レスポンシブデザインが求められる背景とは何でしょうか?これは、現代のインターネット環境が多様化し、さまざまなデバイスからウェブサイトが閲覧されるようになったことに起因します。スマートフォン、タブレット、デスクトップPCなど、それぞれのデバイスに最適化されたウェブサイトの表示は、ユーザー体験を大きく左右します。
レスポンシブデザインとは、これらの異なるデバイスすべてに対応したウェブデザインの手法で、一つのウェブサイトで多様なデバイスを同様にサポートすることを目指します。これにより、ユーザーはどのデバイスからアクセスしても同じようにサイトを利用することができ、ウェブサイトの利便性が向上します。
また、Googleなどの検索エンジンは、モバイルフレンドリーなウェブサイトを評価する傾向があります。これは、モバイルデバイスからのインターネット利用が増加している現状を反映したもので、レスポンシブデザインはSEO対策としても重要な要素となっています。
以上のような背景から、レスポンシブデザインは現代のウェブデザインにおいて必要不可欠な手法となっています。ユーザー体験の向上とSEO対策の両方を目指すなら、レスポンシブデザインの採用は避けて通れない道と言えるでしょう。
レスポンシブデザインを導入するメリット
レスポンシブデザインを導入することで、主に以下のようなメリットがあります。
- デバイスに応じて最適な表示が可能となる
- デザインが変更になっても1つのファイルを更新すれば対応できる
- SEOに有利となる
- SNSでシェアされやすい
メリットを活かせば、より見やすくユーザーにとって優しいホームページを構築できます。各メリットについて、詳しく見ていきましょう。
デバイスに応じて最適な表示が可能となる
レスポンシブデザインの最大の魅力は、デバイスに応じて最適な表示が可能となる点です。先に説明したとおり、デバイスによって画面サイズや倍率が異なるため、パソコンで最適化した場合にスマートフォンなどで表示すると崩れてしまいます。
また、一見表示が崩れてないように見えても、文字の改行が不適切な箇所で入るなどにより、視認性が悪化するリスクがあります。その点、レスポンシブデザインを採用すればデバイスに応じたサイズで表示できるので、閲覧者によってはどのデバイスでアクセスしても見やすいメリットがあるのです。
他にも、表示が崩れて適切に表示できない場合に離脱してしまう可能性が考えられますが、レスポンシブデザインでは表示崩れによる離脱の可能性も排除できます。
デザインが変更になっても1つのファイルを更新すれば対応できる
従来のホームページでは、それぞれのデバイス向けに対してHTMLとCSSを提供するのが一般的でした。例えば、パソコン向けとスマートフォン向けにそれぞれHTMLとCSSがあり、もしコンテンツが追加になったりページレイアウトが変更になった場合、両方のファイルを更新しなければなりません。
単調なコンテンツであればまだしも、複雑な変更を伴う更新の場合は二度手間で多くの工数がかかってしまう形です。一方で、レスポンシブデザインの場合は1つのHTMLとCSSを更新すればよいため、ホームページの維持管理に関わる工数を大幅に削減できます。
SEOに有利となる
ホームページで多くの集客を得るためには、SEO対策は必須です。SEO対策により検索エンジンで上位になれば、多くの集客を見込めて売上に直結します。SEO対策はさまざまな方法がありますが、実はレスポンシブデザインを取り入れるだけでもSEO対策となるのです。
正確に言えば、レスポンシブデザイン自体には直接的なSEO効果はありませんが、レスポンシブデザインはモバイルフレンドリーであるためSEOに効果があると言えます。検索サービスの最大手であるGoogleでは、モバイルファーストインデックスを表明しています。
これにより、検索順位を決定する仕組みをモバイルサイトに移行させているのです。モバイルデバイスの表示も問題なく対応できるレスポンシブデザインを取り入れれば、必然的にGoogleからの評価が高まり、検索上位を狙える可能性が高まります。
SNSでシェアされやすい
レスポンシブデザインのホームページでは、どのデバイスで閲覧するかによってアドレスが変化します。ベースとなるアドレスは同じですが、パソコンの場合は「/pc」、スマートフォンの場合は「/sp」などと表示するのが一般的です。
多くの集客を見込める方法としてSNSによる拡散がありますが、「/pc」のアドレスを拡散されても、スマートフォンユーザーに対しては適切ではありません。レスポンシブデザインの場合、どのデバイスからアクセスしても一つのアドレスで閲覧可能です。
よって、SNSで拡散されやすく多くの集客が見込める形です。
レスポンシブデザインを導入するデメリット
レスポンシブデザインを採用する場合、主に以下のようなデメリットがあります。
- CSSのデザインが複雑であり制作費用が高くなる
- 表示サイズによりレイアウトが崩れる可能性がある
- モバイルサイトで転送データ量が多く表示が遅くなる可能性がある
- コーディングに時間がかかる<
各デメリットを正しく把握して、導入して失敗しないように注意しましょう。それでは、各デメリットについて詳しく見ていきます。
CSSのデザインが複雑であり制作費用が高くなる
レスポンシブデザインを実現するための鍵となるのが、CSSの製作です。CSSでは、分岐条件を複雑に組み合わせて記述していくのが一般的ですが、レスポンシブデザインではCSSの記述が複雑となってしまいがちです。
制作自体にも時間がかかりますが、記述ミスによるレイアウト崩れも発生する場合があります。さらに、完成した後の表示チェックをデバイス毎におこなう必要があり、もし適切に表示できない場合は修正作業が必要です。
以上のように、一般的なホームページ作成よりも作業工数がかかり、制作費用が高くなる点はデメリットとなります。
表示サイズによりレイアウトが崩れる可能性がある
レスポンシブデザインは、どのデバイスでも最適に表示できる高度な技術です。ただし、完璧にどのデバイスでも表示できる、万能の技術ではありません。主に、CSS制作時に以下の原因で表示崩れが発生します。
- コンテンツやモデルの理解不足
- 高さを固定している
- Marginの過度な使用
どのデバイスでも完璧に表示させるレスポンシブデザインを実現するためには、高度なスキルを保有したエンジニアに開発依頼しなければなりません。当然、開発工数がかかり費用面も高くなってしまいます。
モバイルサイトで転送データ量が多く表示が遅くなる可能性がある
レスポンシブデザインに対応したホームページをスマートフォンで閲覧した場合、動作が遅くなる傾向があります。なぜスマートフォンだけで動作が遅くなるかと言えば、スマートフォンでは読み込めない領域までデータをロードする可能性があるためです。
コーディング時に配慮すれば、動作が遅くなるデメリットは解消可能ですが、スマートフォンユーザーを考慮した開発をおこなうかでユーザビリティが大きく変化します。
コーディングに時間がかかる
レスポンシブデザインは、一度コーディングすれば後々のコンテンツ追加時の作業工数は削減可能です。ただし、コーディングには一般的なホームページよりも多くの時間がかかってしまいます。
よって、少しでも早くホームページを立ち上げたい場合には、早急に着手してコーディング作業に移行する必要があります。
現状のホームページをレスポンシブ化する方法
真っ新の状態からレスポンシブデザインのホームページを作成する場合もあれば、すでに既存コンテンツが多く存在する場合は、既存のホームページをレスポンシブ化するケースもあります。既存のホームページをレスポンシブデザイン化するためには、以下の方法があります。
- レスポンシブなテンプレートやテーマを利用する
- 既存のソースコードを修正する
各方法について、詳しく解説します。
レスポンシブなテンプレートやテーマを利用する
最も手っ取り早くレスポンシブデザインに移行したい場合、レスポンシブなテンプレートやテーマを利用するのが得策です。特に、Wordpressで構築したホームページの場合、専用のプラグインをインストールして設定すれば比較的容易に移行できます。
最近では、レスポンシブなテンプレートが増加しており、種類も豊富です。
既存のソースコードを修正する
WordPress以外の方法でホームページを構築している場合は、既存のソースコードを修正してレスポンシブデザインに変更できます。ただし、以下のホームページはコード修正だけではレスポンシブデザインに移行するのは困難です。
- Tableタグベースでレイアウトデザインしている場合
- 全体的にhtmlに直接デザイン装飾を記載してCSSでデザインの装飾ができていない場合
上記ケースでは、一からホームページを作り直した方が早い状況です。
レスポンシブデザインの導入を業者に依頼する方法
レスポンシブデザインの導入は、業者に依頼することも可能です。自社のエンジニアではなかなか対応が難しく、自社で対応するよりも費用をかけて業者に依頼した方が安価で制作できる場合があります。
業者に依頼する場合、どの業者がレスポンシブデザインに対応しているのかをリサーチする必要があります。そして、費用面などを考慮して最適な業者を選定してください。
なお、ホームページのジャンルによって得意不得意がある可能性もあるため、なるべく自社のホームページのスタイルにマッチする業者を選ぶのが最適です。業者を選定したら、具体的なホームページの製作方針などを整合して、実際の作業に入ります。
製作途中の段階で、こまめに状況を確認してイメージが違う場合は軌道修正してもらうなどの対応が必要です。最終的に完成したら、どのデバイスでも問題なく表示されることを自社でも検証することも重要です。
レスポンシブデザイン作成時のコツ
レスポンシブデザインを適用したホームページを制作する場合、ただ闇雲に製作しても得られる効果が低い可能性があります。そこで、以下のようなポイントを意識して製作することが望まれます。
- 常に変化することを意識する
- 画像のサイズを適宜圧縮する
- モバイルデバイスを意識した改行などをおこなう
- アイコンはWebフォントを使う
- 画像の代わりになるべくCSSで表現する
- 表示サイズによる画像切り替えを徹底する
各ポイントについて、詳しく解説します。
常に変化することを意識する
レスポンシブデザインでは、様々なデバイスで最適に表示できる反面、今後新しい技術が取り入れられた際にうまく表示できない可能性があります。また、パソコンでもスマートフォンでも同様に、最近では4Kクラスの高画質モニターが普及し始めています。
そこで、より高画質なモニターに最適な表示が可能かを意識して、レスポンシブデザインを導入すると良いでしょう。
画像のサイズを適宜圧縮する
ホームページには、画像などのコンテンツを掲載する場合が多いです。文字ばかりでは味気なく、画像が入ると閲覧者に対して飽きさせずに閲覧してもらえるメリットがあります。ホームページに使用する画像は、なるべく高画質なものを使用したいと考えがちですが、繊細さを要求されない限りは1920px×1080pxのサイズで十分です。
これ以上大きなサイズとなると、画像の容量が大きくなりスマートフォンで表示する際に動作が重くなる可能性があります。また、パソコンユーザーとしても1920×1080サイズの解像度で閲覧するユーザーが約3割もいる状況であり、1920px×1080pxはちょうどよいサイズなのです。
適宜、画像を圧縮するなどの対応を図り、より軽く見やすいホームページを意識してください。
モバイルデバイスを意識した改行などをおこなう
ホームページを閲覧するデバイスは年々変化しており、スマートフォンで閲覧するユーザーが約7割にも達している状況です。逆に、パソコンから閲覧するユーザーは2割程度しかおらず、優先すべきはスマートフォンで最適に表示できるかどうかです。
レスポンシブデザインにより、表示レイアウトなどはある程度可変して最適なサイズに調整できますが、問題となるのが文字コンテンツです。文字サイズはもとより、いかに文字ばかりであることを感じさせないようなレイアウトにできるかが重要です。
そのテクニックの1つが、画像を適度に使用する方法があります。また、改行を適宜挿入して文字ばかりの印象を和らげる方法もありますが、ここで注意したいのがスマートフォンで表示するのに最適な改行を意識する点です。
パソコンでは気にならない場合でも、スマートフォンの狭い画面では改行が少ないと画面いっぱいに文字が表示されてしまいます。そこで、スマートフォンで3行程度表示されたら一度改行を入れるようにレイアウトするのがおすすめです。
また、余白を3の倍数に統一するときれいに整った状態で表示できます。さらに、1文はなるべく60文字程度までの長さとして、それ以上永くなりそうな場合は2文に分けるなど工夫するのも良いでしょう。
アイコンはWebフォントを使う
レスポンシブデザインでは、アイコンはWebフォントを使用するとよりきれいに見やすく表示できます。アイコンのWebフォントとは図形フォントのことを指し、予めサーバ上に設置されたフォントやインターネット上で提供されているものを呼び出して表示する技術です。
Webフォントはベクターファイルとなるため、どのようなデバイスでもくっきりと見やすく表示されるのが特徴です。また、画像で表示するよりもサイズが小さく軽い特徴があり、CSSでカラーリングやサイズなどの装飾を自由に設定できます。
さらに、クローラーにも認識されるため一定のSEO対策にもなるため、積極的に取り入れたい技術です。
画像の代わりになるべくCSSで表現
レスポンシブデザインでは、なるべく画像自体を使用せずCSSで表現可能なものに置き換えるのが有効的です。例えば、CSS3であれば以下のようなマークなどを表現できます。
- 立体ボタン
- 矢印ボタン
- 指マーク
- ロゴマーク
- 感嘆符
味気ないものではなく、彩り豊かでバリエーションも多いため、ぜひCSSで置き換え可能なものは置き換えましょう。
表示サイズによる画像切り替えを徹底する
表示させたいデバイスに応じて、違うサイズの画像を表示させる技術があります。例えば、メディアクエリにおいてモバイルサイズに対して「display: none」にすれば、画像を表示させない設定にできます。
ただし、実際には画像を読み込んでいるため、表示速度が遅くなる原因となるのです。
上記課題をクリアするために、ブレークポイントにより読み込む画像を切り替えるテクニックがあります。これにより、表示させるデバイスに最適なサイズの画像を表示できるのでおすすめです。
レスポンシブデザインの作り方の基本中の基本
レスポンシブデザインを作るには、HTMLに「meta viewport」とCSSに「メディアクエリ」というものを記述します。
まずはこの2つが基本となります。
meta viewportとは
viewportはHTMLのヘッダーにmetaタグとして記述します。content属性の内容でどのような表示領域を持つかを指定します。
レスポンシブデザインではこのviewportが重要で必須のテクニックになります。
<meta name=”viewport” content=”width=device-width,initial-scale=1.0,minimum-scale=1, user-scalable=yes”>
width=device-widthと記述することで、表示しているデバイスの画面サイズが表示領域になります。
initial-scale=1.0と記述することで初期表示時はズームしていない状態にします。
minimum-scale、maximum-scaleではそれぞれ、ズーム倍率の最小値と最大値を指定することができます。
user-scalableはyesにするとピンチインによるズーム処理が可能になります。
メディアクエリとは
メディアクエリは、レスポンシブデザインを実現するためのCSSの記述方法のひとつです。
レスポンシブデザインでは、デバイスの画面幅に応じて異なるデザインを記述する必要があります。
メディアクエリを使用することで、デバイスの画面幅が●●px以上だったらこのCSSを表示し、●●px以下だったらこのCSSを表示せよというった命令になります。
要するに画面幅に応じてCSSを分岐させることができるものになります。
たとえば、横幅が480px以下になった場合に切り替えたいときは以下のようになります。
@media screen and (max-width: 480px) {
}
この「meta viewport」と「メディアクエリ」があるからこそレスポンシブデザインが実現できるんですね。
レスポンシブデザインを導入して魅力的なホームページを構築しよう
レスポンシブデザインは、導入時には時間と費用がかかるものの、導入後には多くのメリットをもたらす技術です。何よりも、閲覧者の離脱を防止できる点が魅力的であり、売上向上のチャンスも見込めます。
レスポンシブデザインの導入を検討されている方は、ぜひホームページ制作大阪ドットコムまでご相談ください。
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