Drupalとは?特徴や機能、他のCMSと比較、強みを解説
Drupal(ドルーパル)はオープンソースのコンテンツ管理システムです。日本ではまだ知名度はそれほど高くはありませんが、古くから世界の企業や政府団体などで利用されているCMSで、技術力の高いシステム開発者やWeb制作者の間で注目されています。
そこで、ここではDrupalの特徴や強み、WordPressと比較した際の優位性などを詳しくご紹介します。当サイト「ホームページ制作大阪ドットコム」ではDrupalによるWeb制作を積極的に請け負っています。
CONTENTS
- 1 Drupal(ドルーパル)の概要と基本情報を説明
- 2 Drupalの「コア」とは
- 3 Drupalの特徴は強固なセキュリティ対策に強み
- 4 Drupalのディストリビューションとは?
- 5 Drupalでは「モジュール」を追加して拡張。カスタマイズ性も高い
- 6 Drupalで各種フォームもノンプログラミングで制作が可能
- 7 Drupalの記事コンテンツの編集方法と難易度
- 8 Drupalは多言語サイトに強みを持つ。標準80か国の言語に対応
- 9 Drupalに標準で使える会員機能の活用方法
- 10 DrupalでWebサイトの構築・利用が向いている業界・業種
- 11 Drupalと他のCMSの比較
- 12 WordPressの方が気軽?Drupalとの比較
- 13 Drupalが使いにくいと言われる理由
- 14 DrupalのWebサイト開発は「ホームページ制作大阪ドットコム」にお問い合わせを
- 15 Drupalのリニューアル・保守管理のご依頼も可能・困りごとはご相談ください
- 16 まとめ:中規模から大規模サイトの構築はCMSの選定が重要
Drupal(ドルーパル)の概要と基本情報を説明
Drupal(ドルーパル)はPHPで記述されたオープンソース型のCMSで、歴史を遡ると最初に公開されたのが2001年となり、2003年リリースのWordPressよりも古参であることが分かります。
CMSと言えば日本ではWordPressが非常に高いシェアを誇り、Drupalを知る人はあまりいないかもしれません。しかし、Drupalは世界6位のシェアを誇るCMSで、コンテンツ管理だけではなくRSS、会員登録、多言語など標準装備されている機能に富んでいることに大きな特徴があります。
特にDrupalはセキュリティ対策において他社にはない強みを持っており、昨今世界中で多発する不正アクセスやハッキングにも強固な対策が施されていることから、権威性の高い国家や団体ホームページによく活用されている事例があります。
Drupalの「コア」とは
Drupal・コアとは、Drupalの本体そのものを指します。
Drupalは一般的に「コア」、「モジュール」、「テーマ」の3つに大別でき、コアは本体そのもの。モジュールは拡張機能となり、ホームページのレイアウトなど外観を司るのがテーマとなります。
通常DrupalでWebサイトを制作する場合は、WordPressのプラグインに相当するモジュールでサイトの機能を拡張していきますが、DrupalコアだけでもWebサイトとして成立するのが特徴です。
- RSSフィード
- ユーザープロフィール
- アクセス統計
- 検索機能
- 多言語機能
- キャッシュ機能
等はモジュールの拡張不要で活用できます。
ちなみにDrupalのバージョンは定期的に更新されており、2023年5月時点ではDrupal 10が最新となります。Drupal8や9を使用しているWebサイトもありますが、8はすでにサポートが終了し、9も2023年11月に終了することが告知されています。Drupal 10でWebサイト制作をするにあたり、特にデメリットはありません。
Drupalの特徴は強固なセキュリティ対策に強み
Drupalは政府・団体ホームページで頻繁に活用事例があるように、セキュリティに対して他のCMSよりも非常に高い優位性を持っています。
Drupalは常に40名以上の専門のセキュリティチームによって高度な監視体制が構築されています。アプリケーションの脆弱性をついたクロスサイトスクリプティングのような通常の攻撃に対しては、コアに標準で装備されているモジュールにて対策されています。
また、Drupalの拡張機能であるモジュールは4万以上存在しますが、場合によってはモジュールにトロイの木馬のようなマルウェアが仕込まれている可能性もあります。Drupalはモジュールのセキュリティを監視するサポート体制も整備されており、これはWordPressにはない強みの1つとなります。
Drupalのディストリビューションとは?
Drupalには「ディストリビューション(Distribution)」と呼ばれるパッケージがあり、誰でも無料でダウンロードができます。
ディストリビューションにはDrupalのコア・モジュール・テーマが含まれているのが特徴となり、サイト制作に必要な機能・要素を搭載したDrupalのディストリビューションを活用すれば、Web制作者はサイト制作の工程を大きく短縮することができるでしょう。
例えば企業ホームページ、簡単なECサイト、政府ホームページ、メディア向けホームページ、人材紹介サイトなど、合計600以上のパッケージ(ディストリビューション)がDrupalには存在します。もちろんパッケージをダウンロードしたあとに制作者がモジュールを追加したり開発することも可能です。
ディストリビューションとWordPressの比較
Drupalは同じCMSよくとして、しばしばWordPressと比較されます。しかし、ディストリビューションの観点から鑑みると、まず、WordPressにはDrupalのディストリビューションに相当するパッケージダウンロード機能は存在しません。
WordPressではインストールしてプラグインの導入を行い、ホームページが形になるまでに数時間要します。Drupalのディストリビューションをダウンロードできれば必要なモジュール(プラグインに相当)は既に搭載されているので、最短即日でホームページを公開できます。
Drupalでは「モジュール」を追加して拡張。カスタマイズ性も高い
Drupalで作ったWebサイトは、「モジュール」を追加することで機能を自由自在に拡張できます。モジュールはWordPressのプラグインに相当するもので、Drupalのコアをまったく改変することなく多数の機能を付与できます。
WordPressのプラグインと比較すると、モジュールの方がカスタマイズ性に優れているため、プログラミングスキルが高い技術者であれば、WordPressよりもDrupalに魅力を感じる人も多くいるでしょう。
モジュールのセキュリティ体制も整備。WordPressとの違い
WordPressのプラグインはデベロッパー・制作者がそれぞれ責任をもって機能の脆弱性を修正していますが、品質の低いプラグインや何年間もまったく更新されていないものも少なくありません。中にはマルウェアを仕込まれているプラグインも存在するかもしれません。
モジュールはすべてDrupalのセキュリティチームが監査しており、常時レビューを確認し、不審なモジュールの排除に注力しています。
一方でWordPressのプラグインと同様にモジュール同士の相性もあるため、Drupalでホームページを制作する際は技術力の高い制作会社に依頼するのがおすすめです。
Drupalで各種フォームもノンプログラミングで制作が可能
WordPressで予約フォームや問い合わせページを作成しようと考えた場合、手っ取り早いのはコンタクトフォーム「Contact Form 7」のプラグインの導入です。特別なメールフォームソフトの導入やフルカスタマイズを考えない限り、ほとんどのWordPressのホームぺージに使われている人気のプラグインとなります。
しかし、プラグインをインストールしただけで使えるものではなく、ページに表示・実装するためにはある程度のWeb知識が必要となります。
一方でDrupalにはコミュニティで無料配布されている「ウェブフォーム」というモジュールが非常に使い勝手がいいと評判です。
ダッシュボード(管理画面)の「サイト構築→ウェブフォーム」と辿って簡単にページ作成画面に変移し、あとはプレビューを確認しながらテキストやチェックボックス、ラジオボタンなどをクリックして項目を追加していくだけの仕様となります。
プログラミングの知識がまったくない人であっても、ある程度さまになった各種フォームを作れるのはDrupalの強みの1つと言えるでしょう。
Drupalの記事コンテンツの編集方法と難易度
WordPressでは2018年よりクラシックエディターからグーテンベルクと呼ばれるブロックエディターへと編集画面が変わりました。Web制作者の中にはクラシックエディターの方が使いやすいという人もいまだ多くいます。
Drupalの記事編集画面はクラシックエディターのようなWordタイプとなり、実際の利用者から高い評価を得ています。
また、Drupalには「Quick Edit(クイック編集)」と呼ばれる機能が標準で備わっており、Webサイトの見た目からテキストや画像を変更できるため、Webに疎い人でも簡単にホームページを編集できます。
Drupalの管理画面はWordPressよりも本格仕様となっており、初心者はいささかとっつきづらい見た目なので、このクイック編集は非常に便利な機能となります。
Drupalは多言語サイトに強みを持つ。標準80か国の言語に対応
WordPressでもWebサイトの多言語はもちろん可能となりますが、最も人気の「WPML」は有料プラグインですし、その他のプラグインはテーマとの相性がかなり左右されるため、こだわったホームページを作る場合は多言語対応の機能を開発するのが定石となります。
一方でDrupalは標準機能として多言語対応が装備されており、ディストリビューションをダウンロードしたばかりであっても、すべてのコンテンツを80か国以上の言語に即翻訳することができます。
ECサイトの構築に大きな優位性。WordPressの比較
近年はDrupalで制作されたECサイト(通販サイト)が多く見受けられます。Drupalは上述したように強固なセキュリティ対策を実施しており、会員情報や製品情報、顧客情報といった漏洩することが許されない中規模から大規模のECサイトに最適です。
WordPressで無料のECサイトを構築する場合、まず考えられるのはWooCommerceかもしれませんが、Drupalでは専用の「Drupal Commerce」というモジュールを使うことができます。
Drupal Commerceには以下の機能が搭載されており、いずれも無料で使うことが可能です。
- 無制限の商品登録
- カテゴリ設定
- 同一商品のバージョン管理
- タグ付け
- レビュー機能と管理
いずれもWooCommerceに劣らない仕様となっているので、高機能を求めるECサイトにも十分対応できます。
越境ECサイトはDrupalがおすすめの理由
近年はアメリカや中国、韓国といった海外のECモールへ出店したり、外国人に向けた注文システムを構築する越境ECサイトが注目されています。日本製品やサブカル、サービスなどは相変わらず海外に根強いファンが多く、「英語対応をしただけで売り上げが3倍に伸びた」という声も珍しくありません。
ただし、多言語対応は高機能となるので不具合も多く、翻訳ページの作成がうまくいかないために越境ECを挫折する企業も少なくありません。
WordPressで一度失敗した企業担当者は、Drupalで再度検討してみてはいかがでしょうか。
Drupalに標準で使える会員機能の活用方法
Drupalには標準で会員登録・管理機能が搭載されています。WordPressのユーザー管理と似たようなシステムですが、それよりも具体的・詳細に制限や設定ができるのが特徴です。
例えば会員(アカウント)の管理をとってみても、ユーザーの権限はもちろん、「アカウントが有効・無効になる条件」、「パスワードの再発行」などを自在に設定できます。
WordPressではログインするユーザー権限の付与が主な使用目的でしたが、Drupalでは訪問者(潜在顧客)向けにカスタマイズが可能で、ワンタイムのログインリンクを登録アドレス宛に自動送付することで、簡単に会員機能をサイトに搭載することが可能です。
会員機能は企業ホームページからECサイトまで利用の幅は大きい
本格的な会員機能を実装したいときはさらにモジュールをインストールして追加機能を付与した方がいいでしょう。
会員機能やそれに伴うメルマガ配信や限定特典などは他社と大きな差別化を図れるポイントでもありますし、ECサイトだけではなく通常の企業ホームページでも使用する機会はあるはずです。
DrupalでWebサイトの構築・利用が向いている業界・業種
Drupalと言えば政府・自治体・国連・NASAなどのホームページに使われた経緯があり、一般的には中規模から大規模サイトで推奨されるCMSとなります。
その他「多言語対応が必要」、「顧客情報を保有するためセキュリティの強化が求められる」、「モジュールを使ったさらなるシステム開発やカスタマイズをしたい」といったWebサイトにDrupalはおすすめできます。
業界で言えば「政府・自治体・団体・メディア・EC・金融・医療・不動産」などは特に適していると言えるかもしれません。
Drupalが小規模サイトに向かない理由
DrupalはどんなWebサイトでも構築できますが、上記で紹介したように、Drupalの強みは強固なセキュリティや多言語対応にあります。しかし、ランディングページや小規模のWebサイトだと、Drupalの特徴を活かすことができないため、「Drupalでサイトを制作する必要性がそもそもない」という結論に至ることがあります。
コンテンツ管理ができるCMSはDrupalやWordPress以外にもたくさんあるので、実際はWeb制作会社と相談しながら制作方法を決めるのが良さそうです。
Drupalと他のCMSの比較
無料のオープンソース型のCMSは世界で数多く存在しますが、DrupalはWordPressとJoomlaに次いで世界3位のシェアを誇り、すべてのCMSを含めても6位となります。WordPressが独走状態なのは変わりませんが、Drupalで構築されたWebサイトも世界で80万以上あると言われています。
WordPressの方が気軽?Drupalとの比較
DrupalはWordPressと同様のオープンソース型のCMSとなりますが、日本国内にはDrupalでサイト構築できる専門家が少ないため、場合によっては費用が高額になる可能性もあります。
また、Drupalのモジュールやテーマ、ディストリビューションのカスタマイズ方法や不具合・エラーの対応などをネットで調べても、WordPressほどの情報量がないため、開発の初心者だと修正が困難となることも想定されます。
WordPressのメリットとデメリット
WordPressは世界・日本国内ともに圧倒的なシェアを誇るCMSです。プラグインをインストールすることで様々な機能を付与できる点はDrupalとまったく変わりません。
小規模サイトから大手上場企業のサイトまでも構築が可能で、開発スキルなしでお洒落なホームページを作れるテーマも多種多様に存在します。
一方でWordPressはかねてよりセキュリティの脆弱性が指摘されています。管理画面へのログインURLは共通していますし、プラグインからマルウェアが侵入し不正アクセスされるケースも散見されます。
Web開発のスキル無しで気軽にWebサイトを作れる反面、管理を疎かにすると不正アクセスがされやすいデメリットも覚えておきましょう。
WordPressと比較したときのDrupalのデメリットも覚えておく
一方でWordPressと比較したとき、Drupalには幾つかのデメリットも見受けられます。まずDrupalはカスタマイズ性が高く、管理画面の見た目や使用感ともにビギナーではなくエンタープライズ向けとなります。
Web制作会社に丸投げできるのであればいいのですが、自社でサイト制作から記事の編集・更新を内製化しようと考えると、多少の学習コストが必要となります。
Drupalが使いにくいと言われる理由
Drupalが一部で「使いにくい」と言われる要因として、その汎用性の高さが挙げられます。個人ブログや飲食店の小規模サイト・企業ホームページはもちろん、複雑な階層・設計で構築された大規模ECサイトや世界の言語に対応するレビュー・予約サイトに至るまでDrupalで賄えるので、端的に言うと「できることが多すぎる」と言えます。
言い換えれば、レベルの高い技術者がDrupalを使いこなせれば、依頼する企業の理想のWebサイトを制作できることになります。
DrupalのWebサイト開発は「ホームページ制作大阪ドットコム」にお問い合わせを
DrupalでWebサイト制作を希望する企業担当者は、「ホームページ制作大阪ドットコム」にご相談ください。DrupalはWordPressより早くにリリースされたものの、現時点でDrupalを扱える制作会社はそれほど多くありません。
ホームページ制作大阪ドットコムは1998年創業の老舗IT企業。大阪に拠点をおき関西全域をカバーしているほか、全国の企業を対象にWeb制作を請け負っています。技術力の高いエンジニアが在籍しているため、WordPressやDrupalといったCMSはもちろん、フルカスタマイズのWeb制作・システム開発も可能となるのが最大の強みです。
ホームページ制作大阪ドットコムはシステム開発に強み
DrupalとWordPressのどちらでWebサイトを作ればいいのか迷っている人も多くいます。Drupalは標準で多機能に富んでおり、モジュールを追加することによってあらゆるニーズに対応できますが、さらに機能をカスタマイズしたり、複数のモジュールを組み合わせることによって、理想のシステムを依頼主に提供できるようになります。
Drupalのリニューアル・保守管理のご依頼も可能・困りごとはご相談ください
WordPressで制作したWebサイトをDrupalに移行することも可能です。ホームページの全面的なリニューアルをDrupalで請け負える業者は全国でもそれほど多くありません。
Drupalで再度Webサイトを構築する際に、Drupalの強みを活かして多言語対応や会員機能をつけるのもおすすめです。
ホームページ制作大阪ドットコムでは契約前にお客様の要望をしっかりとヒアリングしたのち、明瞭な内訳を記した見積書を提出いたします。
Drupalの保守管理は専門家に任せるべき理由
ホームページ制作大阪ドットコムでは、DrupalのWebサイトの保守管理業務も請け負っています。Drupalをカスタマイズできる技術者は多くないため、Webサイトにエラーが発生した際の不具合の修正をどこに依頼すればいいのか困ってしまいがちです。クラウドソーシングサービスサイトなどで探せばフリーランスの技術者もいるかもしれませんが、突然連絡が取れなくなったり、スキル不足のため不具合に対応できないことも多々あります。
カスタマイズされたDrupalは専門知識が必要となりますし、大規模なサイト、複雑な設計のサイトは特に慎重を期して修正に臨まなければなりません。
ホームページ制作大阪ドットコムでは保守管理契約を結ぶことにより、毎月のバックアップやコアアップデートの対応、モジュールの更新、不具合・エラーの対応に迅速な対応が可能です。依頼者の要望によって契約内容のカスタマイズも可能なので、依頼者の大切なWebサイトを保守いたします。
まとめ:中規模から大規模サイトの構築はCMSの選定が重要
今回はCMSのDrupalについて詳しく解説しました。Drupalは数あるCMSの中でもエンタープライズ向けのオープンソースのため、Webサイトも中規模以上かつ会員機能や多言語機能などを搭載する際に選ぶのがおすすめです。
CMSを選ぶ際は予算や操作性、機能性だけではなく、運用後も見据えて最適なソフトを選んでください。